医療法人新規診療所(分院)開設の要件

医療法人の新規診療所(分院)を開設するにはなにが必要ですか

医療法人の新規診療所(分院)に認可にあたって必要な事項は

医療法人の新規診療所(分院)を開設する定款(寄附行為)変更の認可を都道府県知事に受ける必要があります(医療法第54条の9第3項)が、認可にあたっては、医療法人に以下の要件が整っていることが必要です。

①運転資金等必要な資金を確保していること

②開設する新規診療所の建物の取得又は賃借等によって開設場所を確保すること

③開設する医療法人の新規診療所の予算計画が適切であること

④医療法に違反する事項がないこと

⑤医療法人に義務付けられている各種届出が提出済であること

⑥社員総会決議が適切になされていること

等が必要になります。

医療法人の新規診療所(分院)を開設するには、どのくらいの資産が必要ですか

医療法人の新規診療所(分院)の開設に必要な資産は、開設する新規診療所(分院)の業務を行うために必要な施設、設備又は資金を有しなければなりません(医療法施行規則第30条の34)。そのため、以下の資産が必要です。              (1)②開設する新規診療所(分院)の建物の賃貸借契約を締結している等施設を有していること、

(2)内装・設備の工事契約、医療機器の売買契約、リース契約等を締結していて、必要な設備が開設時に整っていること

(3)①運転資金等必要な資金が確保されていること

が必要です。(3)の必要な資金は、東京都は運転資金で足りますが、都道府県によっては最低資金額を設定しているところもございます。運転資金は初年度の年間支出予算の2か月分に相当する以上の金額です。

医療法人の新規診療所(分院)に認可には医療法等に違反しないことが必要ですが、違反していた場合はどうしたらいいのでしょうか

新規診療所(分院)の認可の審査の際

①貸付(福利厚生規定で定めてものを除く)や、それに類する金銭の取引等

②建物の賃貸(福利厚生規定で定めてものを除く)や看護師の他の医療機関に派遣する等医療法人の業務の範囲外の行為(医療法第42条)を行っていること

③剰余金の配当とみなされる活動(医療法第54条)

等が発覚することがございます。この場合、経緯を説明して医療法違反を解消するよう指導されることになります。そのため認可の審査に時間がかかることになりかねません。 仮申請前に医療法違反の状態を解消するようにしましょう。

また医療法人に義務付けられている各種届出(医療法第52条、医療法施行規則第5条の13等)が未提出の場合、

事業報告等提出書が未提出な場合、医療法人の運営状況が明らかにならないので、未提出分すべて提出を要求されることもございます。

また、役員の重任や変更の役員変更届が未提出で数年経過している場合や届出がないまま理事長等が変更している場合は、役員がだれか明確にするため役員や社員を整理して、未提出の役員変更届を提出することがございます。提出した役員変更届がそれぞれ審査されかなりの時間がかかることになります。

仮申請前に未提出の届出等があれば提出するようにしましょう。

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