持分あり医療法人(経過措置型医療法人)と持分なし医療法人

持分あり医療法人(経過措置型医療法人)と持分なし医療法人かはどこで、見分けたらいいのでしょうか

そのそも持分あり医療法人(経過措置型医療法人)とは、

持分あり医療法人(経過措置型医療法人)とは、医療法人に出資した者が医療法人の財産に持分を有し、社員退社時に請求又は会社解散時の残余財産分配により、出資した割合に応じて、会社財産から払戻を受けることができる法人です。                          なお、この持分あり医療法人の中には、社員退社時に請求又は会社解散時の残余財産分配の医療法人出資者への払戻が出資額を限度とする出資限度額医療法人もあります。       平成18年の医療法の改正により、持分あり医療法人の新たに設立は認められません(医療法第44条第5項医療法施行規則第31条の2)が、                          平成19年3月31日以前に設立した持分あり医療法人、又はそれ以前に設立認可申請をし平成19年4月1日以後設立した持分あり医療法人(出資限度額法人も含む)については当分の間、経過措置として存続が認められています(医療法附則第10条)。

持分あり医療法人の設立がみとめられていないとすると、持分なしの医療法人に拠出した医療法人の財産はどのように取り扱われるのでしょうか

現在の設立できる持分なしの医療法人は、社員の医療法人拠出者は、社員を退社しても拠出した財産の払戻請求はみとめられません。また、医療法人の解散したときの残余財産も公的機関や医療法人に帰属し(医療法44条第5項医療法施行規則第31条の2)、拠出者には残余財産の分配は認めれらません。                            もっともそれでは投下資本を回収できず、医療法人の出資者が集まらなくなるおそれがあります。そこで、基金制度を採用することによって拠出額を限度に返還を受けることができるようになりました。                                   すなわち、医療法人に拠出した金銭その他の財産を一定の要件を満たせば拠出者に返還するという基金制度を定款で定めると投下資本を回収することができるようになります(医療法施行規則第30条の37第1項)。                             この基金制度は定款に定めないと効力が生ぜず、拠出者は後から払戻を受けようと思っても受けられないことになります。定款を作成する際には、注意する必要がございます。

担当者が変わり、自分の医療法人が、持分あり医療法人か、出資限度額医療法人か、持分なし医療法人かわかりません。どこでどう調べればわかりますか。

持分あり医療法人かどうかについて                           まず、医療法人が財団医療法人である場合は持分あり医療法人ではございません。財団医療法人は持分ありなしと関係ありません。                              次に定款をみて、基金の章の規定があれば、持分あり医療法人ではありません。上述のようの基金制度は平成18年改正後に持分なし医療法人に認められた制度だからです。          社団医療法人で、定款に基金の規定もない場合には、さらに定款の規定の「社員」の章か「解散及び合併」の章をみて、「社員」の章に「社員を喪失した者は、その出資額に応じて払戻を請求することができる」という条文があり、「解散及び合併」の章に「本社団が解散した場合の残余財産は、払込出資額に応じて分配するものとする」という条文があれば、持分あり医療法人(経過処置型医療法人)です。                           そして定款の「社員」の章の条文が「社員を喪失した者は、その出資額を限度として払戻を請求することができる」であり、「解散及び合併」の章の条文が「本社団が解散した場合の残余財産は出資額を限度として分配するものとする」であった場合は、持分あり医療法人でも、出資限度額医療法人であるということになります。                                 なお定款の閲覧については各都道府県の窓口で閲覧できる(無料)他、公文書開示請求によって開示してもらうこと(有料)もできます。

現在、持分あり社団医療法人ですが、平成27年9月の医療法改正に伴う定款変更の際に、持分についても持分なし医療法人に変更する必要がありますか。

持分なし医療法人に変更する必要がございません。                   平成27年9月に医療法改正しても、医療法附則第10条は持分あり医療法人が存続すると規定してあります。東京都の医療法人運営の手引にも、平成27年9月の医療法改正に対応した持分あり医療法人(経過措置型医療法人)の定款変更例も掲載されています。

もっとも法は経過措置の持分あり医療法人は減少させようとしています。                                      (1)持分ありの医療法人が解散する場合の残余財産の帰属先の医療機関は持分なしに限定しています(医療法44条第5項医療法施行規則第31条の2第2号)。                           (2)また、医療法人の吸収分割は、持分あり医療法人はなしえない(医療法60条医療法施行規則第35条の6第3号)として、持分あり医療法人が増えないようにしています。                                    (3)医療法人の吸収合併は、①持分なし医療法人が持分あり医療法人を吸収合併する場合②持分あり医療法人が持分なし医療法人を吸収合併する場合のいずれも合併した医療法人は持分なし医療法人であるとし(医療法施行規則第35条の2第2項医療法第44条第5項)、合併により、持分あり医療法人を減少させようとしています。                    (4)令和2年9月までの期間限定で、「持分あり医療法人」から「持分なし医療法人」への移行計画を国が認定する制度を設け(医療法附則第10条の2以下)、持分ありの医療法人の持分の相続税を猶予して拠出者の相続人を救済すると同時に持分あり医療法人を減少させようとしています。                                         (5)また、正当な理由なく1年以上休眠中の医療法人対し設立認可の取消(医療法第65条)で適切に対応し医療法人の売買を未然に防止するとし(平成29年度全国医師関係主管課長会議)、持分あり医療法人の売買による存続を阻止しようとしています。

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