病院の勤務医をやって数年たち、父の医療法人の理事長になるつもりですが、週何日かは勤務医を続けたいと思っています。続けることは認められるのでしょうか
理事長が医療法人の診療所の院長先生(管理者)でない場合
理事長は、代表権という重要な職責を有する(医療法第46条の6の2第1項)とはいえ、都道府県等では指導するところもありますが、非営利法人である診療所に、しかもその診療所の役員等の常用でない勤務医を続けることは、理事長の職務に影響を及ぼさない程度の日数の勤務日でない限りは、許される可能性があります。
理事長が医療法人の診療所の院長先生(管理者)の場合
管理者たる理事長が、他の病院等の勤務医を兼務することは好ましいことではない。
理事長が医療法人の診療所の管理者(院長先生)の場合も、管理者と勤務医を兼任を禁止する明文規定はございません。しかし、管理者は、診療所等の(歯科)医師、従業者等を監督する重要な職責を負い(医療法第15条第1項)、かかる重要な職責を負う管理者が他の医療機関に勤務することは好ましいことではございません。
もっとも、全く認められないかといえば、そういうわけでもなく好ましくはありませんが例外的に認められることはございます。 以下①医療法人の診療所の営業時間中に他の病院等に勤務医として勤務する場合と②医療法人の診療所の休みの時に他の病院へ勤務医として勤務する場合と分けて考えます。
①医療法人の診療所の診療時間中に勤務医として勤務すること
管理者は診療所に常勤することを要します(昭和29年10月19日医収第403号管理者を常勤しない診療所の開設について)。 同通知では常勤について、病院では原則として就業規則で定めた勤務時間すべて勤務する者をいい医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱の別紙常勤医師等の取扱いについて)、診療所については常勤は診療所の「診療時間中」勤務する者とされていましたが、令和元年9月19日医政総発0919第3号では、診療所の管理者は、診療所の「勤務時間中」勤務するに改められました。
したがって医療法人の診療所の管理者は、診療時間内に他の先生に任せて診療所を休むことはできます(もっとも管理者の責任を果たせる時間内(1週間の診療時間の3分の2(半分以上)勤務することは必要です。)
しかし、診療所の管理者が診療時間中に勤務する必要はございませんが、勤務時間外でも診療時間中はいつでも連絡を取れる体制を確保し管理者の責務を確実に果たす必要がございます。
管理者たる医師は勤務時間外でも、診療時間中診療を他の医師に任せて他の病院等に勤務医として勤務することは認められません。
②医療法人の診療所が、休みの時に勤務医として勤務すること
医療法人の診療所が営業していない休みのときに勤務することも、管理者である院長先生の重要な職責に鑑みると他の病院に勤務することは好ましいことではございません。
しかし診療所の開業中勤務するという常勤性は満たすわけですから、担当の保健所との交渉次第では院長先生(管理者)と勤務医の兼務をみとめられるばあいがございます。その場合、誓約書の提出や、勤務先の病院に同意書等、都道府県が都道府県ごとに異なる条件を指導してくることはございます。
医療法人の理事長に就任することは、勤務医と違った責任を負うことになります。勤務医を続けながら、やっていけるのか充分にお考えの上お決めになられた方がよろしいです。
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