吸収合併による新規診療所(分院)の開設
医療法人の新規診療所(分院)開設の方法
医療法人の新規診療所(分院)開設の方法は①最初から新規診療所を開設する方法②すでに開設している個人診療所を取り込む方法③設立されている医療法人を取り込む方法(吸収合併)があります。
①新規診療所診療所の開設②個人診療所の取込が定款変更の認可申請にすぎないにで、いつでも定款変更認可申請をすることができます。
これに対して、③吸収合併による分院の開設は、消滅医療法人の解散と存続医療法人の定款変更認可申請であるため、③吸収合併による分院の開設は、都道府県医療審議会の意見を聞かなけれならず、設立と同じ時期に年2回又は3回しか行うことができません。
①吸収合併による分院開設と②新規診療所開設③個人診療所の取込方法の違い
吸収合併による解散は、吸収医療法人を解散を伴うものであるから、消滅医療法人の社員や債権者の保護が必要になります。
のみならず存続医療法人についても消滅医療法人の権利義務を承継する(医療法第58条の5)ので、その社員や債権者保護する必要があるため②新規診療所開設②個人診療所の取込の方法と異なる以下の手続が必要になります。
(1)合併契約の締結(医療法第57条、第58条)
吸収合併は、解散する消滅会社ばかりでなく、吸収する存続会社にも影響を及ぼすものなので双方の医療法人の合意がなければ、成立しません。
(2)各医療法人の総社員の同意(医療法第58条の2第1項)
①新規診療所の開設や②個人診療所の取込による方法は定款変更(医療法第54条の9第1項)なので、総社員の過半数の出席する(社員総会(医療法第46条の3の3第1項)で出席者の議決権の過半数で決められます(医療法第46条の3の3第2項)が、
吸収合併の場合は社員に大きな影響を及ぼすので総社員の同意が必要になります。
(3)債権者保護手続(医療法58条の3、58条の4)
③吸収合併による分院の開設は①新規診療所の開設②個人診療所の取込の方法による場合と異なり、消滅医療法人存続医療法人双方の債権者に大きな影響を及ぼすので債権者保護手続が必要になります。
1.合併の認可の通知があってから2週間以内に財産目録及び貸借対照表を作成(医療法58条の3第1項)
2.合併の登記があるまで財産目録及び貸借対照表を主たる事務所に備え置き、債権者の請求があっときは閲覧に供さなければなりません(医療法58条の3第2項)。
3.1.の期間ないに、その債権者に対し、異議があれば一定期間内(2ヵ月以上)に述べるべき旨を公告し、かつ、判明している債権者に催告しなければなりません(医療法第58条の4第1項)
4.債権者が3.の期間内に異議を述べなかったときは、吸収合併を承認したものとみなします。
5.債権者が異議を述べたときは、医療法人はこれを弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、吸収合併しても債権者を害するおそれがないときは、この限りでない(医療法第58条の4第3項)。
(4)登記
登記についても、①新規診療所の開設や②個人診療所の取込の方法による場合は目的等の変更登記のみで足りますが、
③吸収合併の存続会社の変更登記と消滅会社の解散登記の2種必要になります。
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