勤務医からの医療法人設立

病院に勤務している勤務医ですが、いきなり医療法人を設立することはできますか

いきなり医療法人設立はできません。まず個人診療所の開設してから医療法人設立ということになります。

個人診療所を得ずにいきなり、医療法人の設立はできません。もっとも、医療法人の設立申請に医療法人は設立前2年間の実績表を要求されていますが、必ずしも個人診療所を2年間開設している必要がございません(但し、埼玉県に医療法人を設立する場合少なくても、1回は個人診療所で確定申告していることが要求されます。)。残高試算表等で医療法人設立後安定した医療経営が運営されるとすれば、2年間個人診療所を開設する必要はございませんが、個人診療所を一旦開設する必要はございます。

但し、医療法人は一旦設立すると、解散によって医療設備等が国または地方公共団体等の所有になり(医療法第56条第1項、第44条第5項、医療法施行規則第31条の2)

また、個人事業の医業収入が低い場合、法人を設立してしまうとかえって税率が上がってしまうことになることもあるので、税理士さんとご相談して医療法人の設立のタイミングをお考えになられた方がよろしいです。

個人診療所を開設するには

①個人診療所を開設するには、資金計画、事業計画を立て、診療所を開設場所についての賃貸借契約、内装工事、医療機器、電子カルテ、FAX什器の準備、スタッフの確保、医薬品、診療材料等、廃棄業者、臨床検査、クリーニング等の外部委託先の準備等をし、スケジュールを立て開設日を決めます。

②その後保健所への開設届、エックス線装置備付届、厚生局への保険医療機関の指定、

保健所への開設届、エックス線装置備付届

保健所への開設届の前、内装工事が始まる前必ず図面等をもって事前相談しましょう。保健所に工事の変更を求められることがございます。エックス線装置備付届の放射線漏えい検査も届出前に済ましておきましょう。

厚生局への保健医療機関指定、

保健医療機関の指定は、開設届出後提出することになります。保険医療機関指定申請は、月の10日以内(例えば、3月10日以内)に申請すれば、翌月の1日に通知が届きます(4月1日)。そして保険診療ができるのは翌月の1日(4月1日)になります。すなわち、開設届を提出して開設日(例えば3月1日)に開設してもその月は自由診療しか行えず、保険診療できるのは翌月(4月1日)からになります。

③②が割った後、公費負担医療機関指定申請(生保、労災等)従業員の労災保険等の手続、税務関連関係、消防官関係、医師会関係の手続が必要になります。

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