医療法人の法人名の変更

医療法人の法人名を変更するにはどのような手続が必要ですか

医療法人の名称と診療所の名称

1.医療法人の名称(医療法第44条第2項第2号)と診療所の名称(医療法第44条第2項第3号)は、会社における本店名と支店名のよううな関係にあります。法人の名称変更にあたり、医療法人〇〇のように、頭に医療法人の名称を外すことはできない旨都道府県より言われます。場合によっては医療法人社団〇〇のよに医療法人社団あるいは医療法人財団の名称もはずさないよう指導する都道府県もあります。

2.法人の名称は〇〇会とせず、〇〇クリニック等でもよいので、例えば医療法人社団〇〇会ではなく、医療法人社団〇〇クリニック等に変更することもできます。

診療所名と同じ法人名にする変更こともできますが、将来的に分院開設もお考えのとき、分院の診療所名が法人名と違ってしまうことに留意してください。例えば、医療法人社団〇〇クリニック(法人名)、〇〇クリニック(診療所名)、医療法人社団〇〇クリニック(法人名) △△クリニック(分院診療所名)となります。

使用が禁止されている法人名に医療法人の法人名を変更できません

1.国名、都道府県名、区名及び市町村名を用いることができませんが、固有名詞(「クリニック」等)と組み合わせる変更はできます。

2.同様に診療科目名を単独で法人名に変更することはできませんが、固有名詞(「クリニック」等)と組み合わせて変更することはできます。もっとも診療科目名が広告可能な診療科目として認められていないもの(詳細は「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)(平成30年5月8日付医政発0508第1号)」名称の中に含める変更はできません。

3.記号を名称に用いる変更は出来ませんが、数字やアルファベットを用いる変更はできます。もっともアルファベット表記でも読めないものは避けるよう指導されます。また漢字についても、通常の読み方と違う読み方になるものも避けるよう指導されます。

4.取引会社等関係ある営利法人等の名称や、隣接地域の既存の医療法人との名称と同一又は紛らわしい名称変更は避けるよう都道府県より指導されます。

5.設立申請の際重複の医療法人の名称でないかどうか都道府県の医療法人担当に照会をした方がいいです。

医療法人の法人名の変更の手続

医療法人の法人名変更の手続は

(1)都道府県の法人名変更の定款変更認可申請、登記事項変更届

(2)法務局への法人名の登記変更申請

(3)保健所への法人名変更の診療所届出事項一部変更届

(4)法務局への保険医療機関届出事項変更届

ですが、診療所の名称に法人名を含んでいる場合、例えば、医療法人名が医療法人社団〇〇会 診療所名が医療法人社団〇〇会 △△クリニックの場合、医療法人の名称の他、診療所の名称も変更する必要が出てきます。

(1)都道府県の法人名、診療所名変更の定款変更認可申請、登記事項変更届

(2)法務局への法人名、診療所名の登記変更申請

(3)保健所への法人名変更、診療所名の診療所届出事項一部変更届

(4)法務局への保険医療機関届出事項変更届

が必要となる他、看板の変更が必要となる場合もあり、費用が掛かります。

また。地域に受け入れられ親しまれてきた法人名、診療所の名が変わることにまりますので、慎重にご検討をされた方がよいです。

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